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東京の「未来」と「今」が交差する街、江東区で商機を掴む!

東京都の東部に位置し、隅田川と荒川に挟まれた江東区。この街は、江戸時代から続く深川・城東エリアの伝統的な下町情緒と、「モノづくり」の産業集積、そして豊洲有明に代表される臨海副都心(湾岸エリア)の未来的な都市景観が共存する、非常にダイナミックな地域です。近年のタワーマンション建設ラッシュによる人口急増や、オリンピック・パラリンピックを経た開発により、その姿は今もなお変貌を遂げています。

この「伝統」と「未来」、「居住」と「ビジネス」、「国内」と「国際」が混在する多様性こそが、江東区の最大の魅力です。テナント出店を成功させるには、この多様な商圏特性をデータに基づいて深く理解し、自社の事業コンセプトがどの市場に最適かを見極めることが不可欠です。本稿では、江東区の主要6エリアの商圏データを徹底的に分析し、それぞれの街が持つポテンシャルとビジネスチャンスを探ります。

■10秒でわかる!この記事の内容
・湾岸エリア(豊洲・有明):人口急増中の高所得ファミリー層が暮らす、日本有数のプレミアムマーケット。
・臨海副都心(お台場):観光・エンターテイメントに特化。圧倒的な交流人口をターゲットとする非日常型商圏。
・ビジネス中心地(木場・東陽町):区内最大のオフィス街。巨大な昼間就業者市場がビジネスチャンスの宝庫。
・伝統的繁華街(亀戸・門前仲町):活気ある商店街と高密度の単身者層。飲食・サービス業が中心の地域密着型商圏。

■【湾岸エリア】豊洲・有明:日本屈指の成長・高所得ファミリー市場

近年の江東区の発展を象徴するのが、タワーマンションが林立する湾岸エリアです。この地域は、都心へのアクセスの良さと整備された街並みで、特に高所得のファミリー層を惹きつけています。

豊洲エリア:成熟しつつある高所得ベッドタウン

豊洲は、立地特性として「ベッドタウン性」(39.5%)と「ビジネス街性」(35.0%)を併せ持つエリアです。2015年から2020年にかけて人口が5.7%増加し、平均世帯人員も2.2人と東京都平均(2.0人)を上回ります。このエリアの最大の特徴は、その圧倒的な所得水準です。1世帯あたりの平均年収は910万円と、東京都平均(602万円)を遥かに凌駕しています。世帯の消費支出も東京都平均の125.7%と非常に高く、旺盛な消費意欲がうかがえます。
出店戦略のターゲットは明確に「高所得ファミリー層」です。高品質・高単価な商品やサービスが求められます。オーガニック食材を扱う高級スーパー、専門性の高い学習塾習い事教室、上質な内装のファミリー向けレストランプライベートジム美容クリニックなどが有望です。

有明エリア:爆発的な人口増加を遂げる最新のタワーマンション群

有明は、豊洲以上に急激な成長を遂げているエリアです。2015年から2020年の5年間で、人口は実に61.9%も増加しました。平均世帯人員は2.4人、4人世帯の比率は22.1%(東京都平均9.3%)と、豊洲以上にファミリー層が集中しています。所得水準も驚異的で、平均世帯年収は995万円に達します。1世帯あたりの消費支出も東京都平均比123.6%と極めて高い水準です。
出店戦略としては日本で最も勢いのあるニューファミリー市場の一つです。まだ新しい街であるため、生活インフラ全般に商機があります。特に、急増する子ども向けの業態(インターナショナルスクール、保育施設、小児科クリニック)、そして新しい住民同士のコミュニティの場となるようなお洒落なカフェベーカリーは需要が高いでしょう。住民の消費意欲は極めて高いため、高単価なサービスでも受け入れられる土壌があります。

■【臨海副都心】お台場:観光・エンターテイメント特化型商圏

同じ湾岸エリアでも、お台場は全く異なる特性を持ちます。このエリアは居住区というよりも、立地特性で「ビジネス街性」(44.6%)と「繁華街性」(37.2%)が示す通り、観光とエンターテイメントの街です。夜間人口は約1.1万人と少ないものの、昼間には+18,172人もの人々が流入します。産業別就業者では「宿泊業・飲食サービス業」(23.9%)と「卸売業・小売業」(22.2%)が半数近くを占め、まさに観光客と買い物客によって経済が成り立っています。

出店戦略のターゲットは明確に「国内外からの観光客」「ショッピング客」です。テーマ性のあるレストランやカフェ、ここでしか買えない限定品を扱う物販店、体験型のアミューズメント施設などが中心となります。居住者も平均年収808万円と高所得ですが、市場規模が小さいため、あくまでターゲットは交流人口とすべきです。イベントや季節性に合わせた柔軟な店舗運営が求められます。

■【ビジネス中心地】木場・東陽町:区内最大のオフィスワーカー市場

江東区の内陸部、東西線沿線の木場東陽町エリアは、区内最大のビジネス集積地です。立地特性は「ビジネス街性」が48.9%と突出しており、昼夜間人口差は+77,698人という驚異的な数字を記録しています。産業別就業者では「情報通信業」(14.6%)や「学術研究・専門技術サービス業」(11.0%)といったオフィス型産業の集積が顕著です。一方で、このエリアは9万人を超える夜間人口を抱える巨大な住宅地でもあります。1人世帯(49.9%)と2人世帯(25.1%)で住民の75%を占め、平均年収も562万円と比較的高い水準にあります。

出店戦略は二つの軸で考えるべきです。第一のターゲットは、平日の昼間に集中する膨大なオフィスワーカーです。ランチ需要に応える飲食店(定食屋、ラーメン、カフェ、弁当屋)は最大のビジネスチャンスです。また、仕事帰りの需要を狙った居酒屋バルフィットネスジムも有望です。第二のターゲットは、地域に住む単身者や二人世帯です。駅周辺には、彼らの生活を支えるスーパーマーケットドラッグストアクリーニング店などの需要が安定して存在します。

■【伝統的繁華街】亀戸・門前仲町:高密度な単身者と活気ある下町商圏

江東区の北側と西側に位置するこれらのエリアは、古くからの下町情緒と活気ある商店街、そして高密度な住宅が特徴です。

亀戸エリア

「亀戸天神」「亀戸横丁」など、新旧の魅力が混在する亀戸は、「ベッドタウン性」(39.4%)、「ビジネス街性」(31.7%)、「繁華街性」(28.9%)がバランスよく共存しています。昼間には+13,767人の流入があり、活気があります。最大の特徴は「1人世帯」が52.2%を占め、特に「20代単身」が10.1%と非常に高い比率であることです。産業では「製造業」も12.4%を占め、職住近接の側面も持っています。

出店戦略のターゲットは若者を含む単身者と、昼間の就業者です。平均年収は483万円と、都平均よりは低いため、コストパフォーマンスの高い業態が求められます。学生や若手社会人向けの安価でボリュームのある飲食店、居酒屋、カラオケ、コンビニエンスストアなどは鉄板です。

門前仲町エリア

富岡八幡宮深川不動堂の門前町として栄えた歴史を持つこのエリアは、立地特性として「ベッドタウン性」(39.8%)を軸に、商業・ビジネス機能も併せ持ちます。昼間には+10,751人の流入があります。最大の特徴は「1人世帯」が55.4%という高い比率と、「宿泊業・飲食サービス業」が15.5%という産業構成です。これは、歴史的な街並みを背景に、飲食業が非常に盛んであることを示しています。

出店戦略は「食」に関する業態が中心となります。「飲み屋街」としての側面が強く、個性的な居酒屋やバル、バーには多くのチャンスがあります。また、古くから住む住民と新しく流入した単身者の両方に応える、地域密着型の飲食店やサービス業も有望です。平均年収も543万円と比較的安定しており、質の高い食への需要も存在します。

■この記事のまとめ

江東区は、一言で表すのが難しい、多様な市場がモザイク状に存在するエリアです。未来都市のような湾岸エリアでは、日本トップクラスの高所得ファミリー層をターゲットにしたプレミアムなビジネスが展開できます。一方で、木場・東陽町では巨大なオフィスワーカー市場が、亀戸や門前仲町では高密度な単身者下町の活気が、それぞれ異なる商機を提供しています。自社の強みとコンセプトを、どのエリアの特性と掛け合わせるか。データに基づいた緻密な戦略こそが、このポテンシャルあふれる江東区での成功を掴む鍵となるでしょう。

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