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もっと高く貸せるかも?店舗物件の潜在能力を最大限に活かす方法!

不動産投資において、ご所有の物件が住居、事務所、店舗、倉庫のいずれであるかによって、その賃料相場は大きく異なります。特に物件オーナー様が収益の最大化を目指すのであれば、ご所有の不動産が「店舗物件」としてどれほどの潜在能力を秘めているかを正しく評価し、その価値を最大限に発揮させることが不可欠です。

本コラムでは、店舗物件が高く評価され、賃料を向上させる可能性のある重要なポイントを深掘りします。立地や階層の評価基準から、高賃料の切り札となる「飲食店可」の希少性、さらにはその際にオーナー様が抱えるリスクとその専門的な回避策に至るまで、具体的なデータや不動産経営のノウハウを交えて解説します。現在、事務所や住居として貸している物件が好立地にある場合、店舗に転用することで収益が大幅に向上する可能性を秘めています。ご所有物件の真価を見極め、収益向上を図るためのご参考としてください。

■10秒でわかる!この記事の内容
・賃料の差は「集客力」店舗物件と住居・事務所の決定的な違い
・経営視点から見た適正な賃料水準でテナントの賃料を決める
・2階以上の隠れた価値—階層別ニーズと視認性を高める工夫
・視認性を補完する看板の重要性
・賃料アップの最大の切り札「飲食店可」とリスクマネジメントの鉄則
・希少性の源泉となる専門設備、オーナー様が抱えるリスクとその回避策とは

■賃料の差は「集客力」店舗物件と住居・事務所の決定的な違い

一般的な事務所や住居の場合、賃料を左右するのは主に「広さ」「築年数」といった建物そのものの要素です。これに対し、店舗物件の価値は、何よりも「立地」がとりわけ重要であり、賃料は「集客力」という立地そのものの価値に直結します。

そのため、店舗物件においては、たとえ築年数が古かったりしても、好立地にあるだけで、相対的に高額の賃料で貸し出せる可能性が生まれます。賃料は建物のグレードや設備など様々な要素に影響を受けるため一概には言えませんが、多くのエリアで、店舗物件は同エリアの事務所と比較して高い坪単価を設定できる可能性があります。

例えば、東京都内の主要ビジネス地区のオフィス賃料(坪単価)が概ね2万円台から3万円台で推移する中、飲食店の駅別賃料相場ランキングでは、再開発が進む「東京」駅周辺が坪単価5万円を超える水準(51,543円)を記録するなど、店舗物件、特に飲食店の潜在的な賃料は極めて高い水準に達することがわかります。

賃貸経営において、ご所有物件が本来持つ店舗としてのポテンシャルを見極め、事務所や住居としてではなく、店舗として貸し出した場合の試算を行うことは、収益最大化の第一歩と言えるでしょう。

経営視点から見た適正な賃料水準

ここで、テナント側の視点も理解しておくことが、適正な賃料設定に役立ちます。店舗経営において、家賃は固定費の中でも大きな割合を占めますが、一般的に適正な賃料水準は、売上に対する粗利の7〜10%が目安とされています。例えば、月間売上500万円で原価率60%の業態であれば、粗利は200万円となり、適正な月間家賃は14万円から20万円の範囲となります。オーナー様は、エリアの坪単価相場だけでなく、ご所有物件の立地が集客できるであろう業種と、その業種の利益水準を考慮に入れることで、よりテナントが出店しやすく、かつ高額な賃料を期待できる設定を探ることが可能です。

■2階以上の隠れた価値—階層別ニーズと視認性を高める工夫

店舗物件において、言うまでもなく「1階」(路面店)は最も価値が高いとされています。駅前など視認性が極めて重要な立地では、1階と2階以上の坪単価の差は2倍以上になることもあり、まずは1階の賃料を最大限で貸せているか確認することが重要です。

しかし、2階以上の物件、通称「空中店舗」であっても、低く評価しすぎる必要は全くありません。特定の業種にとって、2階以上であることはむしろ大きなメリットとなるからです。例えば、美容室エステクリニックパーソナルジムといった業種のテナントが存在します。

これらのテナントが2階以上を好む理由には、主に以下の点があります。
賃料の抑制と費用配分:1階店舗に比べて賃料を抑えられる分、内装工事や宣伝広告に経費を充当できるため、サービスやメニューの販売価格を下げて競争力を高めることも可能です。
プライバシーの確保:通行人からの視線が届きにくいという視認性の低さを逆に活かし、顧客のプライバシーを保護し、安心して入店してもらうことができます。
付加価値の創出:地上の喧騒から離れ、落ち着いた空間を演出できるため、デートやビジネスの商談など、非日常感や隠れ家的な雰囲気を求める顧客層に需要があります。

視認性を補完する看板の重要性

2階以上の空中店舗において、集客力を左右する非常に重要な要素が「看板」です。看板は、物件の視認性を補ったり、強めたりするための広告物であり、通行人に店舗の存在を知らしめ、来店を促す役割を果たします。

オーナー様が行うべき施策として、テナントに好まれる「看板設置スペースの確保」が挙げられます。具体的には、ビル外部に設置される「袖看板」「屋上看板」が大きな広告価値を持ちますが、ビルのエントランスなどに設置される「集合看板」も、利用者がフロアを確認するために重要となります。オーナー様は、テナント募集の際、看板の掲示ルールや設置可能スペースを明確にすることで、2階以上の物件であってもテナント誘致を有利に進め、適正な賃料を確保することが可能になります。

■賃料アップの最大の切り札「飲食店可」とリスクマネジメントの鉄則

店舗物件の価値を大幅に引き上げ、収益を最大化する最大の切り札となり得るのは、「飲食店可」の条件、特に重飲食可の物件です。一般的に、飲食店は他の業種(物販・サービス)よりも高めの賃料を受け入れやすい傾向があり、特に繁華街やオフィス街ではそれが顕著です。飲食店可の物件は、そうでない物件と比較して40〜50%賃料が高い水準になるというケースも多く見られます。

希少性の源泉となる専門設備

この高い賃料は、飲食店に必要な専門設備とその希少性によって支えられています。重飲食では、給排水、排気ダクト、ガス、電力容量に加え、特にグリストラップの設備が不可欠です。

グリストラップとは、厨房からの排水をそのまま下水に流さないよう、油分やゴミをろ過し分離する装置のことです。油が冷え固まって水道管が詰まるのを防ぐだけでなく、環境汚染につながる油脂分を下水道に流出させないために、多くの油を使う飲食店では設置が強く促されています。

これらの設備が既に整っている、あるいは整えることができる物件は数が限られています。更に立地が飲食店向きであれば、その物件は極めて希少性が高く、高い賃料設定を可能にする唯一無二の存在となり得るのです。

オーナー様が抱えるリスクとその回避策

オーナー様にとっては、「匂い」「設備投資」「原状回復」などのリスクから、飲食店テナントに対して不安を感じるかもしれません。また、特に問題となりやすいのが、店舗からの騒音や臭気による近隣住民とのトラブルです。深夜の片付け作業や換気扇の音、そして調理臭は近隣との紛争に発展しやすく、これが原因で賃貸借契約が解除される危険性も存在します。

加えて、グリストラップの管理を怠った場合、排水詰まり下水管に問題が生じるリスクがあります。最悪の場合、多額の修理費用や、自治体・近隣住民からの損害賠償を請求される恐れもあります。

これらのリスクを最小限に抑え、物件のポテンシャルを最大限に活かすためには、不動産会社をご活用ください。不動産会社は、業態の制限(例:重飲食の範囲を定める)や、設備の管理責任を契約上で明確化するなど、オーナー様のリスクを低減する具体的なノウハウを持っています。特に、騒音や臭気対策について契約時に厳しい基準を設けることや、グリストラップの清掃義務をテナントに課し、その頻度を細かく定めるなど、専門的なリスクマネジメントのサポートが可能です。

■この記事のまとめ

店舗物件の賃貸経営において収益を最大化するためには、その物件が持つ「集客力」という潜在能力を最大限に引き出すことが重要です。

店舗物件は、立地の価値が賃料に直結し、事務所や住居よりも高い坪単価を期待できる可能性があります。また、1階だけでなく、2階以上でも特定のニーズを持つテナント(美容室、クリニックなど)に対し、看板設置スペースの確保といった施策を取ることで、適正な賃料を確保できます。そして、最も大きな収益向上の可能性を秘めているのが、希少な設備を持つ「飲食店可」の物件です。

飲食店化には、騒音・臭気やグリストラップの管理といった特定のリスクが伴いますが、不動産会社は、これらのリスクを契約上の定めや業態制限によって最小限に抑えるノウハウを持っています。物件の価値を最大限に引き出し、収益向上を実現するためにも、店舗の「斡旋・管理」はプロである不動産会社にご相談ください。

物件を「貸したい」「売りたい」、ネットに「掲載したい」、あるいは店舗の「管理や査定を頼みたい」といった様々なお困りごとやご相談があれば、お気軽に店舗ネットワーク加盟店へお問い合わせください。

 

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