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店舗物件を借りる前に絶対確認!「確認済証」と「検査済証」がないとどうなる?

憧れの店舗を構えるために物件を探し、理想の立地やデザインに出会えたときの喜びは何物にも代えがたいものです。しかし、その高揚感の中でつい見落としてしまいがちなのが、建物そのものの「リーガル(法的)」な健康状態です。内装をどう彩るか、どんなサービスを提供するかという華やかな計画の土台には、建築基準法という厳格なルールが存在しています。

特に、テナントとして入居する際に知っておくべき「確認済証」「検査済証」は、事業の成否を左右しかねない極めて重要な書類です。これらが揃っていない物件を選んでしまうと、いざ開店しようとした際に営業許可が下りなかったり、希望の内装工事ができなかったりといった、取り返しのつかないトラブルに巻き込まれるリスクがあります。本コラムでは、借主の視点に立ち、知っておかなければ後悔する「建物の証明書」の重要性と、万が一の際の見極め方について深く掘り下げていきます。

■10秒でわかる!この記事の内容
・「確認済証」は計画の合格証、「検査済証」は完成後の適法証明書。
・「検査済証」がない物件では、飲食店などの営業許可が下りないリスクがある。
・内装工事(用途変更)の申請時に、検査済証がないと工事がストップしかねない。
・書類紛失時は、役所で「台帳記載事項証明書」が取れるかどうかが分かれ道。
・契約後のトラブルを避けるため、仲介会社を通じて事前に法的適合性を確認すべき。

■理想の物件に潜む「法的リスク」という落とし穴

店舗探しにおいて、多くの借主が注目するのは賃料や立地、そして「スケルトン物件か居抜き物件か」といった目に見える条件です。しかし、不動産仲介会社から渡される物件概要書の隅に書かれた「建築確認日」「検査済証の有無」という項目こそが、実は最も注意を払うべきポイントです。

建築基準法では、建物を建てる前にその設計が法律に適合しているかを確認する「建築確認」と、完成した建物がその設計通りに作られたかをチェックする「完了検査」が義務付けられています。前者の合格証が「確認済証」、後者の合格証が「検査済証」です。

借主にとって特に恐ろしいのは、検査済証がない物件です。これは、いわば「健康診断を受けずに放置されている建物」と同じです。一見すると立派なビルに見えても、実は法的に不備があったり、当初の申請とは異なる違法な増改築が繰り返されていたりする可能性があります。こうした「コンプライアンスの欠如」は、そのまま借主の事業リスクへと直結するのです。

■検査済証の有無が「営業許可」を左右する理由

なぜ、ただのテナント入居者にこれほどまでの書類が求められるのでしょうか。その最大の理由は、保健所や消防署、あるいは自治体への「営業許可申請」「用途変更」の手続きにあります。

例えば、もともと事務所として使われていた空間を飲食店やクリニック、あるいは保育所として利用する場合、建物の「用途」を変更する手続きが必要になることがあります。この申請を行う際、行政機関からは必ずと言っていいほど「検査済証」の提出を求められます。もし建物自体が完了検査を受けていない場合、その用途変更の申請自体が受理されないという事態に陥ります。

さらに深刻なのは、飲食店などの特定の業態で必要となる火災報知器や避難設備の設置です。消防署は建物の図面と現況を照らし合わせますが、ベースとなる建物が法的に未完了の状態であれば、追加の内装工事そのものにストップがかかることも珍しくありません。せっかく内装デザインを完成させ、スタッフを雇い、オープン日を決めていても、検査済証がないという一点だけで、ビジネスのスタートが数ヶ月単位で遅れる、あるいは断念せざるを得なくなる可能性があるのです。

■内装工事(B工事・C工事)における見えない壁

店舗物件を借りる際、借主は自分のブランドイメージに合わせた内装工事を行いますが、ここでも確認済証と検査済証の影がつきまといます。店舗の改装には、壁を立てる、階段を設ける、あるいは床を抜くといった、建物の構造に関わる変更が含まれることがあります。

これらの工事が一定の規模を超える場合、借主側で新たに「建築確認」を申請しなければなりません。しかし、この「新たな申請」を行うためには、大前提として「その建物が新築時に正しく完了検査を受けていること」が証明されている必要があります。

もし過去の検査済証が存在しない場合、借主は自分の内装工事の許可を得るために、建物全体の安全性を遡って調査し、証明するという、膨大な手間とコストを背負わされることになりかねません。これは本来、建物のオーナーが負うべき責任ですが、契約後に発覚した場合、その負担を巡って深刻なトラブルに発展することが多いのです。店舗を新しく作り上げるプロセスにおいて、検査済証は「スムーズな工事を保証するためのパスポート」であると言えます。

■書類がない物件に出会ったときの「賢い立ち回り」

それでは、気に入った物件に検査済証がないことが分かった場合、即座に諦めるべきなのでしょうか。必ずしもそうとは限りません。古いビルや、管理体制が過去に不透明だった物件では、単に書類を紛失しているだけというケースも多々あります。

まずは不動産会社を通じて、オーナー側に「台帳記載事項証明書」の発行が可能かどうかを確認してもらいましょう。これは自治体の窓口で取得できる書類で、当時の検査記録が公的に残っていれば、紛失した検査済証の代わりとして法的な効力を発揮します。この証明書さえ入手できれば、多くのリスクは回避できます。

問題は、記録そのものが存在しない場合です。この場合、その物件での出店は慎重にならざるを得ません。どうしてもその場所でなければならない理由があるなら、契約前に建築士などの専門家に依頼し、現況の建物が今の法律に照らして致命的な違反をしていないかを確認する「法適合状況調査」をオーナー負担で行ってもらうよう交渉するべきです。ここでの確認を曖昧にしたまま「みんな普通に営業していますから大丈夫ですよ」という営業担当者の言葉を信じて判を押すことだけは、避けるべき最悪の選択と言えるでしょう。

■この記事のまとめ

店舗ビジネスにおいて、内装やサービスにお金をかける「攻め」の姿勢は不可欠ですが、建物の法的適合性を確認する「守り」の確認は、それ以上に重要です。検査済証の有無を確認することは、単なる事務作業ではなく、あなたの投資と従業員の雇用、そしてお客様の安全を守るための「リスクマネジメント」そのものです。

契約書にサインをする前に、必ず「確認済証」と「検査済証」の所在、あるいはそれに代わる「台帳記載事項証明書」が取得できるかを確認してください。もしそれらが揃わないのであれば、そのリスクを誰が負うのかを明確にする必要があります。店舗ネットワークでは、テナント物件の賃貸借に精通した営業担当が皆様の疑問やお困りごとをサポートいたします。ぜひお近くの店舗ネットワーク加盟店へご相談ください。

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