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横浜都心部出店戦略:主要5エリアのポテンシャルとテナント動向

国際的な港湾都市として、また首都圏有数の経済拠点として独自の地位を築く横浜市。その中心である西区・中区は、現在進行中の再開発プロジェクトにより、街の構造と人の流れが大きく変化する変革期を迎えています。特に「横浜駅」周辺の再開発や、旧市庁舎街区の活用事業は、新たなビジネスチャンスを創出しており、事業者にとって横浜都心部は、極めて戦略的な価値を持つ市場となっています。

本コラムでは、横浜の中心市街地を代表する5つのエリアについて、商圏データに基づきその特性を多角的に分析し、出店を検討する事業者向けに各エリアの可能性と展望を解説します。

■10秒でわかる!この記事の内容
・横浜の心臓部「横浜駅」エリア:商業の巨人と未来への玄関口
・未来都市と歴史が交差する「みなとみらい・桜木町」エリア
・ビジネスと歓楽街、二つの顔を持つ「関内」エリア
・独自の文化が根付く観光とファッションの街「元町・中華街」エリア

■横浜の心臓部「横浜駅」エリア:商業の巨人と未来への玄関口

横浜駅西口は、神奈川県下で最大の商業集積地としての地位を確立しています。夜間人口約4,600人に対し、昼間人口は49,000人超と、日中に膨大な数の人々が活動する一大拠点です。立地特性は「繁華街性」が極めて高く、県平均を大きく上回る商業人口(買い物客数)がそのポテンシャルを物語っています。就業者の産業構成比を見ると、情報通信業医療・福祉の割合が県平均を上回っており、多様なビジネスパーソンが集まることがわかります。この圧倒的な集客力を背景に、幅広い層をターゲットとした小売業、飲食業、サービス業全般に適しています。

一方、横浜駅東口は再開発によってビジネス街としての性格を強めており、未来への玄関口として進化を続けています。夜間人口は約4,800人、昼間人口は31,701人とこちらも日中の活動が中心です。特筆すべきは、情報通信業、金融・保険業といった高所得者層が多い業種の就業者割合と、一世帯あたりの平均年収537万円という経済水準の高さです。高層オフィスビルに勤務するワーカーを主たるターゲットとした、質の高いランチディナーを提供する飲食店、あるいは専門性の高いサービス業にとって、非常に有望な市場と言えるでしょう。

■未来都市と歴史が交差する「みなとみらい・桜木町」エリア

みなとみらい駅周辺は、先進的な都市景観が広がるウォーターフロントです。夜間人口約5,700人に対し、昼間人口は37,651人に達し、その96.3%を第二次・第三次産業従事者が占める、典型的なビジネス・商業エリアです。居住者は持ち家比率が67.3%と高く、特に15階建て以上の共同住宅に住む世帯の割合が74.3%と極めて高いのが特徴で、高所得のファミリー層やパワーカップルが中心と考えられます。平日はオフィスワーカー、休日は観光客や買い物客とターゲットが明確に分かれるため、最新のトレンドを反映した物販、景観を活かしたレストランエンターテイメント施設など、目的を持って訪れる人々を惹きつける業態が中心となります。

その玄関口である桜木町駅周辺は、みなとみらいの近代的な雰囲気と、昔ながらの「野毛」地区が持つレトロな雰囲気が融合する結節点です。夜間人口13,300人に対し、昼間人口は42,450人と、居住者と来訪者が混在しています。単身世帯が65.2%を占め、20代の比率が県平均より高いことから、若者も多く集まるエリアです。観光客向けの店舗から、地域住民向けの生活密着型サービス、さらには「野毛」の飲み屋街に代表される個性的な個人経営の飲食店まで、多様なビジネスモデルが成立し得るポテンシャルを秘めています。

■ビジネスと歓楽街、二つの顔を持つ「関内」エリア

関内エリアは、県庁や市役所などの行政機関やオフィスビルが集中する、横浜のビジネス・行政の中枢です。夜間人口13,376人に対して昼間人口は61,078人と、昼夜間人口比率が極めて高いビジネス街としての特性を持ちます。立地特性も「ビジネス街性」と「繁華街性」が突出しており、明確な目的を持って訪れる人々で構成されています。就業者では公務の比率が県平均を大きく上回り、平日昼はオフィスワーカー向けのランチ、夜は接待や会食向けの質の高い飲食店への需要が安定しています。また、単身世帯比率が70.7%と非常に高いことから、単身者向けのサービスや、歴史ある歓楽街としての側面を活かしたバーなどのナイトビジネスにも根強い需要が存在します。

■独自の文化が根付く観光とファッションの街「元町・中華街」エリア

世界最大級の中華街と、洗練された元町商店街という二つの強力な集客装置を持つ、唯一無二の観光・商業エリアです。居住者における外国人比率が13.9%と極めて高く、国際色豊かな点が最大の強みです。産業別就業者数では、宿泊業・飲食サービス業と卸売・小売業が突出しており、まさに観光とショッピングの街であることをデータが裏付けています。一世帯あたりの平均年収も550万円と高く、消費意欲の高い層が集まるエリアです。中華街では本格的な中国料理食べ歩きグルメ、元町ではハイブランドのアパレルや宝飾品、お洒落なカフェが中心となります。インバウンド需要を的確に捉え、多言語対応やキャッシュレス決済の導入は、このエリアでの成功に不可欠な要素と言えるでしょう。

■この記事のまとめ

横浜都心部は、現在進行中の再開発を追い風に、今後ますますその価値を高めていくことが予想されます。しかし、一口に「横浜都心部」と言っても、エリアごとにその「顔」は全く異なります。事業者にとっては、この多様性を理解し、自社の事業コンセプトと各エリアの特性をデータに基づいて照らし合わせることが、出店戦略の第一歩となります。圧倒的な商業規模を誇るエリア、未来的な成長が見込めるエリア、独自の文化で専門性の高い顧客を掴めるエリアなど、それぞれの特性を見極め、戦略的な一歩を踏み出すことで、この変革期にある横浜での成功を掴むことができるでしょう。

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