工場夜景だけじゃない！四日市市の飲食出店エリアを徹底チェック

三重県最大の都市であり、工業都市として全国的に知られる四日市市。中京圏と関西圏の間に位置し、名古屋から電車で30分圏内というアクセスの良さもあり、住宅都市としても発展を続けています。人口約31万人を抱えるこの都市は、工場群による昼間人口、商店街や大型商業施設を中心とした集客、さらには港湾エリアの観光需要など、多様な顔を持つ市場を形成しています。

今回は、飲食業にとって重要な四日市市内の4エリアを取り上げ、それぞれの特性とテナント戦略を考察します。

■10秒でわかる！この記事の内容
・【近鉄四日市駅エリア】市内最大の繁華街と集客力
・【諏訪栄町・一番街エリア】地元密着の商店街市場
・【四日市港・コンビナート周辺】工業都市ならではの需要
・【郊外ロードサイド・大型商業施設エリア】ファミリー層の支持

四日市市の中心駅である「近鉄四日市駅」周辺は、百貨店や商店街、飲食店が密集する市内随一の繁華街です。駅ビル「近鉄百貨店」を中心に、南北に伸びる商店街には居酒屋、カフェ、ラーメン店など多様な業態が並び、昼夜問わず人通りが絶えません。

このエリアは名古屋方面からのアクセスも良く、出張ビジネスマンや買い物客、地元の若者まで幅広い層が利用することから、出店のチャンスは豊富です。最新の商圏調査では、平日昼はオフィスワーカーや買い物客、夕方以降は20～40代の飲み会・外食利用が多いことが明らかになっています。若者や女性を取り込めるカフェ、スイーツ店、韓国料理などのトレンド業態や、夜の居酒屋・バルといった二毛作型の展開が有効です。

四日市の中心市街地には「四日市一番街商店街」が広がり、昔ながらの飲食店から新規参入の個人店舗まで混在しています。再開発により若い世代の出店も増えつつあり、個性的な店舗が集まり始めています。

賃料が駅前より抑えめであるため、小規模なチャレンジ店舗やコンセプト重視の出店に適しています。四日市一番街商店街周辺の昼間人口は夜間人口の3倍以上で、このエリアの夜間人口は約5,000人ですが、昼夜間人口の差は約12,6000人にもなります 。

地域のイベントや歩行者天国の開催に合わせ、期間限定店舗やポップアップ型の展開も効果的で、クラフトビールバーや地元食材カフェ、間借り飲食など個性重視の小規模業態が有望です。

四日市といえば石油化学コンビナートで知られ、昼間人口の高いエリアです。港湾エリアでは大型工場勤務者が多く、ランチ需要が旺盛。また、夜間は工場夜景観光で訪れる観光客が増えつつあり、観光＋飲食の組み合わせにも可能性があります。

オフィス街のような高単価需要よりも、日常的でボリュームのある食事や、テイクアウト対応の需要が強いのが特徴で、定食屋やラーメン、焼肉などのボリューム型業態や、観光客向けの海鮮居酒屋、夜景カフェなどが適しています。

市内郊外にはイオンモール四日市北やアピタ四日市などの大型商業施設が点在しており、週末を中心にファミリー層の来店が目立ちます。国道1号線・23号線沿いのロードサイド店舗は駐車場を備えた飲食店が多く、車社会の三重県においては依然として強い集客力を持っています。

住宅地も隣接しているため、日常利用から外食イベントまで幅広く対応可能で、ファミリーレストランや回転寿司、焼肉店、パン食べ放題のカフェ、ドライブスルー対応のファストフードなどが有利といえます。

四日市市は「繁華街」「商店街」「工場地帯」「郊外商業」と4つの性格がはっきりした市場を持つ都市です。それぞれのエリアに応じた業態戦略を取ることで、出店成功の確度を高めることができます。特に近鉄四日市駅周辺の繁華街と郊外ロードサイドのファミリー市場は二大柱であり、業態選びの分岐点となるでしょう。

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