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道北の中核都市・旭川で未来を拓く!商圏データ徹底分析から導く出店戦略

北海道のほぼ中央に位置し、道内第二の人口を誇る中核都市、旭川市。石狩川をはじめとする多くの河川が流れ、大雪山連峰を望む豊かな自然環境と、北海道らしい雄大な都市景観が共存する街です。道北エリアの交通・経済・文化の中心地として、また旭山動物園をはじめとする観光資源にも恵まれ、多様な人々が集まります。近年は、駅前の再開発や大型商業施設の進出により、街の姿も変化を続けています。

しかし、広大な旭川市を一つのマーケットとして捉えることはできません。市の中心であり広域からの集客を誇る「旭川駅周辺」、落ち着いた住宅街が広がる「西部エリア」、新興住宅地と商業施設が混在する「東部エリア」、自衛隊駐屯地を抱える「北部エリア」、そしてJR宗谷本線沿線の地域密着型「新旭川駅周辺」。それぞれが異なる人口構成、産業構造、そしてライフスタイルを持っています。

テナント出店や新規開業を成功させるためには、これらのエリアごとの特性をデータに基づいて深く理解し、自社の事業コンセプトがどの市場で最も輝けるかを見極めることが不可欠です。本稿では、旭川市とその周辺の主要5エリアの商圏データを徹底的に分析し、それぞれの街が持つポテンシャルとビジネスチャンスを探ります。

■10秒でわかる!この記事の内容
・旭川駅エリア:道北最大の商業・交通ハブ。ビジネス、観光、居住が融合し、多様な需要が存在。
・旭川東部エリア:人口増加中の新興住宅地。若いファミリー層がターゲットの中心。
・旭川西部エリア:持ち家・戸建率が高い、安定した成熟住宅地。地域住民の生活密着型消費が主体。
・旭川北部エリア:自衛隊関連の需要が特徴的。安定した公務員層とその家族が暮らすエリア。
・新旭川駅エリア:単身高齢者世帯が多い高密度住宅地。地域密着型の生活支援サービスに商機。

■【旭川駅周辺】道北の玄関口!多様な人々が集う中心拠点

JR函館本線、宗谷本線、富良野線が集結する旭川駅周辺は、名実ともに道北エリア最大の交通・商業の中心地です。駅舎のリニューアルや駅前広場の整備、大型商業施設「イオンモール旭川駅前」の開業により、その魅力はさらに高まっています。立地特性は「繁華街性」(57.2%)と「ビジネス街性」(40.2%)が際立っており、商業・業務機能が高度に集積しています。昼夜間人口差は+22,389人と圧倒的な流入超過を示し、周辺地域から多くの通勤・通学者、買い物客、観光客を引き寄せています。

商業人口も10万人を超え、道北随一の広域商圏を形成しています。産業別就業者構成を見ると、「卸売業・小売業」(26.6%)、「宿泊業・飲食サービス業」(17.1%)の割合が突出して高く、まさに商業とサービス業が地域経済を牽引していることがわかります。居住者の特徴としては、1人世帯が56.4%と半数以上を占め、都心型のライフスタイルを送る単身者が多いことがうかがえます。

このエリアでの出店戦略は、この巨大な「交流人口」をいかに取り込むかが最重要課題です。飲食店は、ビジネスパーソン向けのランチから、観光客向けの北海道グルメ、夜の接待需要に応える店舗まで、あらゆる業態にチャンスがあります。物販では、ファッション雑貨土産物など、多様なニーズに応える品揃えが求められます。特に駅直結のイオンモール内や、駅から伸びる平和通買物公園沿いは一等地と言えるでしょう。ただし、商業流入出指数が1.81と高い一方で競争も激しいため、明確なターゲット設定と独自性が成功の鍵となります。

■【旭川東部・西部エリア】人口増加エリアと安定住宅地

旭川市の中心部から東西に広がるエリアは、主に地域住民の生活を支えるベッドタウンとしての性格を持ちますが、東部と西部ではその様相が異なります。

旭川東部エリアは、近年開発が進む新興住宅地としての側面が強く、人口増加が見られる注目のエリアです。2015年から2020年にかけて人口が1.1%増加しており、特に30代から40代のファミリー層とその子ども世代(0歳~10代)の構成比が高いのが特徴です。これは、比較的新しい住宅供給により、若い世代が流入していることを示唆しています。平均世帯人員も2.1人と、旭川市平均(1.9人)を上回っています。立地特性は「ベッドタウン性」が55.1%と高く、地域住民の生活消費が中心となります。
このエリアでの出店戦略は、増加する「若いファミリー層」のニーズに応えることが中心となります。子育て世帯向けの学習塾習い事教室、小児科クリニック、家族で楽しめる飲食店(ファミリーレストラン回転寿司焼肉店など)が有望です。また、日常の買い物を支えるスーパーマーケットドラッグストアも、人口増加に伴い需要が拡大する可能性があります。

一方、旭川西部エリアは、持ち家比率(59.9%)、一戸建比率(50.4%)が共に高く、古くから地域に根ざして暮らす住民が多い、安定した成熟住宅地です。立地特性も「ベッドタウン性」が62.0%と突出しており、商圏は完全に地域住民の消費に依存しています。人口構成では、50代以上の比率が比較的高く、高齢者人口比率も29.9%と市平均(32.0%※5エリア平均)に近い水準です。平均世帯人員は1.9人と、単身・二人世帯も一定数存在します。
出店戦略としては、地域住民の「日常生活」をきめ細かくサポートする業態が求められます。スーパーマーケットドラッグストアといった生活必需品を扱う店舗に加え、高齢者向けのデイサービス訪問介護、地域住民の憩いの場となるようなカフェやコミュニティスペースなどが考えられます。派手さはありませんが、地域にしっかりと根付けば、長期的に安定した経営が期待できるエリアです。

■【北部・新旭川エリア】独自の特性を持つエリア

旭川市の北部と、中心市街地の北東に位置する新旭川駅周辺は、それぞれ独自の背景を持つ商圏を形成しています。

旭川北部エリアの最大の特徴は、陸上自衛隊旭川駐屯地の存在です。これにより、産業別就業者構成で「公務」が16.7%と突出して高く、他のエリアとは異なる安定した雇用と所得基盤を持つ層が暮らしています。立地特性は「ベッドタウン性」が61.3%と高く、自衛隊関係者とその家族が住民の多くを占めていると推測されます。持ち家比率(57.1%)、一戸建比率(51.3%)も比較的高く、安定したファミリー層が中心です。
出店戦略としては、この「自衛隊関係者とその家族」をメインターゲットに据えるべきでしょう。官舎や隊員向けの単身寮も多いと考えられるため、単身者向けの飲食店コンビニエンスストアの需要も存在します。また、転勤者が多い可能性も考慮し、家具・家電のレンタルやリサイクルショップなども面白いかもしれません。地域特有のコミュニティに合わせた品揃えやサービスが求められます。

新旭川駅エリアは、JR宗谷本線沿線の高密度な住宅地です。立地特性は「ベッドタウン性」が61.7%と非常に高く、昼夜間人口差も-2,668人と、多くの住民が市外へ流出しています。このエリアで注目すべきは、世帯構成です。「1人世帯」が49.3%と半数近くを占め、特に「高齢単身世帯」が18.6%と、旭川駅エリア(15.0%)をも上回る高い比率となっています。高齢者人口比率も35.1%と高く、高齢化が顕著に進んでいるエリアです。
出店戦略としては、高齢単身者の生活支援が重要なテーマとなります。小型スーパードラッグストア訪問介護看護配食サービスといったヘルスケア・生活支援系の業態は、今後ますます需要が高まるでしょう。また、単身者が気軽に利用できる飲食店や、地域住民の交流拠点となるようなコミュニティスペースにも商機が見出せます。

■この記事のまとめ

北海道第二の都市、旭川市は、その広大な市域の中に、驚くほど多様な商圏を内包しています。道北全域から人を集める「旭川駅」、新しいファミリー層が増える「東部」、安定した住宅地の「西部」、自衛隊の街「北部」、そして高齢化が進む「新旭川」。それぞれのエリアが持つ人口構成ライフスタイル消費動向は大きく異なります。テナント出店や新規開業の成功は、この地域特性をデータに基づいて正確に把握し、自社の強みとターゲット顧客が合致する「一点」を見つけ出すことから始まります。本稿が、そのための確かな一歩となることを願っています。

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