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テナント看板の管理は賃借人が原則でも物件オーナーが管理責任を問われる例も?

テナントビルを彩る看板は賃貸借契約に基づいて賃借人が設置、メンテナンスをするのが通例で疑う余地の無いように思われますが、いざ看板部品や看板本体の落下事故が発生すると、その管理責任について賃貸人と賃借人との間でトラブルになることが見受けられます。本コラムでは賃貸人(物件オーナー)がテナント看板において注意する点について解説してきます。

■10秒でわかる!この記事の内容
・工作物の設置・保存の瑕疵による事故は、原則は賃借人に管理責任
・オーナー(賃貸人)に賠償責任が発生することも
・テナントが夜逃げして相当期間経過した場合、賃貸人が占有者にもなりうることも
・工作物責任範囲の明確化と施設賠償責任保険の検討を

■工作物の設置・保存の瑕疵による事故は、原則は賃借人に管理責任

飲食店や物販店で多く見られる店頭看板。お店のイメージアップにも繋がるので、デザインなども凝ったものを多数見かけます。

賃借人が入居時に設置した看板は民法第717条1項における「土地の工作物」に該当します。土地の工作物は土地に接着して築造された設備の全てに当てはまります。そして、同法では「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。」と定めています。

ここでいう「工作物の占有者」は看板を設置した賃借人となります。第一次的責任があるのは工作物を事実上支配し、その瑕疵を修補して損害の発生を防止できるからです。

■オーナー(賃貸人)に賠償責任が発生することも

工作物の占有者に過失が認められない場合・・・例えば屋外広告条例に基づく定期点検の実施や、定期点検と定期点検の間に自主点検を追加で実施し、その都度補修・修繕を行っている場合などです。

占有者の賠償責任が完全に回避できるわけではありませんが、このような場合については占有者の賠償責任は大幅に回避され、看板を点検した業者や建物オーナーが負担することになります。これは所有者の無過失責任を定めたものと解されています。

また、賃貸人が修繕義務を負うなどを賃貸借契約で明記していた場合、間接占有者である賃貸人も工作物の設置・保存の瑕疵について第一次的責任を負いますので注意が必要です。

■テナントが夜逃げして相当期間経過した場合、賃貸人が占有者にもなりうることも

建物と無関係で賃貸人が支配できない部分の瑕疵が原因の場合も、テナントが夜逃げして相当期間経過して建物と一体になった看板の所有と占有を放棄したような状態になっている場合、落下の危険があるなどの具体的な瑕疵については、賃貸人がその占有者として管理すべきで、責任を問われる可能性が高くなります。

また、長期空室の際に看板等が残っていた場合は同様の考え方で賃貸人が占有者として管理する必要があります。

■工作物責任範囲の明確化と施設賠償責任保険の検討を

雨風や熱に晒される等の自然現象による劣化は避けられず、これは防ぎようがありません。このような状況下で、工作物の老朽化は時間の経過とともに進んで行きます。定期点検(法定・自主)のスケジュール化、専門業者による点検は工作物責任範囲の明確化の第一歩です。

また、賃貸人の無過失責任をカバーできるものとして、施設賠償責任保険が挙げられます。これは、建物の瑕疵や施設の不備によって対人事故や対物事故が発生した場合に、賠償金を支払ってくれる保険です。施設賠償責任保険にあらかじめ加入しておき、万が一の事故に備えることで安定した運営が可能となるのです。

■この記事のまとめ

店舗仲介専門である「店舗ネットワーク」では、賃貸借契約における工作物責任範囲の具体的なアドバイスや、定期点検を請け負う専門業者のご紹介も対応可能です。店舗ネットワークは全国に170拠点以上を展開していますので、お近くの加盟店へお気軽にご相談ください。

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