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店舗で準備しておきたい防災・安全対策

店舗物件の防災対策と安全対策

近年、国内においては地震・台風・豪雨による大規模災害の発生が増加しており、店舗経営においても防災対策は重要になっています。また、火を使用する飲食店では、空気が乾燥している冬場の火災対策も重要です。この記事では、店舗で準備しておきたい防災対策・安全対策について解説します。

■10秒でわかる!この記事の内容
・災害には「自然災害」と「人災」があり、どちらも備えができる。
・お店には「お客様や従業員」の安全を守る義務がある。
・普段から防災意識を経営者と従業員が高く持ち備え、安全で信頼されるお店を目指しましょう。

店舗が備える災害とは

災害には、地震・台風・豪雨などの「自然災害」と、火の不始末など人的なミスが原因で発生する「人災」があります。また近年、水道インフラの老朽化による断水なども増加傾向で、店舗営業に影響するケースが出ています。

地震

店内商品の落下、グラスやビンなどが割れ散乱、照明器具の落下、家具や什器が倒れる、障害物による避難の妨げ、非常口への殺到、混乱や将棋倒し、けが人の発生、エレベーター閉じ込め、店内や周辺での火災、配線や機器破損による漏電、給水管破損による漏水、津波、がけ崩れ、停電、断水、通信障害、帰宅困難、物流の寸断など

台風や豪雨

看板がゴミ箱など飛ばされる、飛来物の衝突、周辺道路の冠水、店内の浸水、雨漏れ、停電、断水、通信障害、帰宅困難、物流の寸断など

火災

煙や有毒ガスの発生、爆発、非常口への殺到、混乱や将棋倒し、逃げ遅れ、けが人の発生、一酸化炭素中毒など

停電や断水

照明がつかない、レジや電子決済が利用できない、空調が使用できない、冷蔵庫や冷凍庫が使用できない、停電による断水、トイレが使えない、仕込みや調理ができない、洗い物ができないなど

災害により、店舗が直接被害を受けない場合でも、取引先や仕入れ先、従業員が被災した際は、大きな影響を受けることがあります。

店舗が行うべき災害・安全対策

店舗では、事前にどのような防災・安全対策を行っておけばよいのでしょうか?順番にみていきましょう。

●周辺の状況や避難場所を知っておく
まずは、店舗周辺の状況確認です。豪雨での浸水や土砂崩れの発生、地震では、津波や火災などの二次災害を引き起こすことがあります。店舗周辺でどのような災害リスクがあるか、国土交通省や市区町村の「ハザードマップ」を確認しておきましょう。また、地域の「防災マップ」や行政のホームページなどで、各市町村で定められた災害時の避難場所を確認しましょう。

●避難ルートの確認
いざという時、慌てないために店内やビルの避難ルートを確認しておきましょう。非常口がどこにあるか分かりやすいように示しておくことも必要です。また、落下や転倒により、非常口や出入り口付近をふさいで避難の妨げになるものを置かないようにしましょう。

●店内外設備の確認や固定
落下や転倒を防ぐために、頭上にあるものや背の高い家具や什器は固定しておきましょう。また、懐中電灯や消火器を適切な場所に用意することも忘れずに行いましょう。台風の前は、置き看板は屋内に収納し、風で飛ばされないようにします。強風の影響を受けやすい壁から突き出した袖看板は、劣化による不良がないか定期的な点検が必要です。

●台風接近時や災害時の営業について考える
台風や地震に見舞われたときに、時間短縮で営業するのか、臨時休業するのか、いつ誰が判断するのかを決めておきましょう。予約客への連絡・対応方法も決めておくとスムーズです。

●防災マニュアルをつくり共有する
避難ルート、避難場所、ハザードマップ、いざ災害が発生したらどう動くか、緊急時の連絡先や対応方法などをまとめたマニュアルを作成し、従業員と共有することで慌てずにすみます。また、年に数回、防災の日などに、防災訓練の実施や点検を実施しましょう。災害発生時は、スマホやパソコンが使えないことを前提に、紙のマニュアルを準備しておきましょう。

●防災責任者を決める
災害発生時に指示をする人がいないと、店内はパニックに陥ります。防災責任者を決めておき、災害発生時はその人の判断に従うようにしましょう。防災責任者がお休みの時のために、代行者も決めておくと安心です。また、消火係や誘導係なども決めて、防災訓練も実施して備えましょう。

●防災グッズを備えておく
ヘルメットや救急セット、いざという時のための水、食料、毛布、ポータブルトイレ、ラジオ、懐中電灯、乾電池や蓄電池、土嚢・水嚢袋、ブルーシートなどを備えておくと安心です。防災グッズは、防災訓練の時に取り出し、点検や補充を行いましょう。テナントビルに共同の防災備蓄倉庫が用意されている場合もあります。

●帰宅困難に備える
災害時は交通機関がマヒしたり、崩れた建物で道がふさがり帰れなくなることがあります。場合によっては、お店でひと晩過ごさなければならないことも。そのときに必要な毛布やカイロ、水や食料、救急用品などを多めに用意しておきましょう。テナントビルに共同の防災備蓄倉庫が用意されている場合もあります。

●災害時の調達方法を考えておく
お店が直接被害に合わない場合でも、離れた場所で災害が発生し、取引先や仕入れ先が休業となり影響を受ける場合があります。取引先や仕入れ先が被災した場合の調達方法を考えておきましょう。

テナント物件の中には、免震・制振構造、非常用発電や防災備蓄倉庫、AEDなど、いざという時の設備が充実したテナントビルもあります。物件選びの際は、ハザードマップでの災害リスク確認と合わせて、建物の構造や防災設備もチェックしてみましょう。

消防法で義務づけられている消防設備の設置・点検・報告

飲食店など、不特定多数の人が出入りし調理で火を使用することが多いため、消防法で定められている消火器具の設置や点検、報告を行う義務があります。

●消火設備
消火器、簡易消火用具(水バケツ、乾燥砂など)、屋内消火栓設備、スプリンクラーなど

●警報設備
自動火災報知設備、漏電火災警報器、ガス漏れ火災警報設備、非常警報設備、非常放送設備など

●避難設備
避難はしご・ロープ、すべり台、緩降機、救助袋、誘導灯、標識など

火を使う飲食店では、消防法で定められている消防設備を準備しなければいけませんので、事前に確認しておきましょう。設置する消火設備は、店舗の延べ床面積や出店場所などによって異なります。また、消防設備は年に2回の点検が義務づけられています。点検をしなかった場合や、消防署への報告を怠った場合は、法律で罰せられます。消防設備の設置・点検義務は、借主ではなく「建物の持ち主」です。ビルのテナントとして出店する場合、消防設備に不備あれば、管理会社やオーナーに伝えましょう。

この記事のまとめ

店舗で準備しておきたい防災対策・安全対策について解説しました。災害リスクの少ない物件や防災設備の充実度も、物件選びのポイントといえます。店舗には、不特定多数の人が集まります。また、営業時間帯も日中や深夜など様々です。災害はいつ発生するか分からないものです。いざという時に慌てないためにも、日ごろから備えをしておきましょう。災害以外でも、営業中の急病人やけが人発生に備え、救急法やAEDの操作訓練を行うことも有効です。防災意識を経営者と従業員で強く持ち、安全で信頼されるお店を目指しましょう。

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著:店舗ネットワーク本部

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